桜咲く

不合格覚悟で発表を見に行った
子ねずみ兄の都立高校合格発表。

そんな日に限って、
子ねずみ兄がパスモを忘れたと
自宅に取りに帰り、
学校に行ってみれば
既に掲示板の前には誰もいませんでした。

おずおずと近づくと・・ありました!!
番号を見つけても、
子ねずみ兄も、私も信じられず、
ただ、立ちつくすばかり。
不合格番号の掲示ではないのか、とか
受験番号を間違ってるのではないか、とか
頭の中をぐるぐると
いろんな考えがよぎりました。

子ねずみ兄は、合格書類を抱え、
「ママ、早く帰ろう。
もしかしたら、間違いだったって
後から追いかけてくるかもしれない。」
と足早に歩くのがおかしくて。

子ねずみ兄。
まず、校門を出て
しみじみと
「パパと妹に感謝だなぁ。」とつぶやきました。
「パパは本当に良く社会を教えてくれたし、
妹は相似を教えてくれた。」
そして空を見上げて
「みんな合格してるといいなぁ。」
と深い息を吐きました。

それぞれの春。
合格も嬉しかったけれど、
それよりも何よりも、
息子が自分で頑張りきったこと、
そして、まず家族に感謝し、
友達を思いやっていたことが、
なにより嬉しかったねずみなのでした。