誘惑

息子の友達から電話がありました。
「え?ぼくんち?
今日はダメなんだよ。うん。
あ、じゃ、とにかく行くわ。」
息子、嬉しそうに
「遊びに行ってくる」と出て行きました。

と、30分もしないうちに
「ただいまー。」と浮かない顔でご帰宅。
「あらら?早いね。」
「うん、今日は誰の家も空いてなくてさ。
雨が降ってて、みんなショッピングセンターに
行くっていうから、僕だけ帰って来た。」

えらいぞ。息子。
近くに出来た大型ショッピングセンター。
子どもだけでは行ってはいけない、と
学校から言われています。
・・とはいえ、行きたかったんじゃないかな。
いけないことだから、と
さっぱりと帰ってきた息子を、誇りに思うとともに、
我が道を行く息子が
なかなか友達と仲間になれないのも、
少し心配です。
「しかも、ぼくんちが駄目なせいだろって
言うからさ。嫌になっちゃったよ。」と
愚痴りながら、うなだれます。
「いいじゃん、一緒にテレビ見よ。」
妹の絶妙なフォローに、
やっと笑顔が見られた息子でした。