絵の具

子ねずみ達の学校が始まりました。

「あ、なくなってる絵の具を
足しておいてね、って
図工の先生が言ってたんだった。」
前々日、行く準備をしていた子ねずみ妹が、
思い出しました。
足りない色は5色ほど。
単品の絵の具を買いました。

今日、暇そうな子ねずみ妹に、
「絵の具、買ったんだから、
足しときなさいよ。」
と言うと「うんうん」と
一番離れた部屋に入って行きました。

「ママ、これって、ちょっと難しいね。」
しばらくして、出て来た娘。
顔も、手も絵の具だらけ。
「どしたの、それ!?」と驚くと
「え?鼻がかゆいから、搔いたら、
絵の具、顔にも、ついちゃった。」
「いやいや、そういうことじゃなくて。
なんで、そんなに絵の具だらけなの?」
「だって、なかなか上手に足せないんだもん~」

・・・・。
子ねずみ妹、空のチューブに
新しいチューブの絵の具を入れ替えようと、
孤軍奮闘していたのでした。
いくら詰め替えの世の中だからって・・・。
「空のチューブは捨てて、
新しいのを絵の具箱に入れとくんだよ。」
キョトンとした顔をした娘。
「アハハハ。そっか~!そうだねっ」
と絵の具だらけの顔で、
爽やかに笑ったのでした・・。