彫り師

彫刻刀を手にいれてからというもの、
何かと彫りたがる子ねずみ兄。

小さな木のかけらに、ちまちま
何やら彫っています。
「それ、何?」
「え、ハンコだよ。」
ぐさっと手を切りながら、
だらだら血を流し、
「また切っちゃったよー。」と痛みに耐え、
血だらけで出来上がった物は、
サカサマでした。
あああー。

「消しゴム彫ればいいじゃん」という
ありがたい母のアドバイスを聞き、
世の中にハンコ消しごむというものが
あることを知った子ねずみ兄。
母友からハン消し用消しゴムまで頂き、
彫ること二時間の力作が出来ました。

それからというもの、
消しゴムを彫りたくて仕方ない。
「版消しゴム、買ってきて。
僕のこづかい全部で買えるだけ買って。」と言う始末。
預かったお金で買ったら
版消し、20個も買えちゃうよ。
・・・・。

と言うわけで、最近は
毎晩毎晩ハンコ消しゴムを
彫り続ける子ねずみ兄なのでした・・。