清水寺

清水の舞台から飛び降りる・・で
有名な清水寺。

京都に精通している連れねずみが
言いました。
「清水寺へは6時に行きます。」
ろ、ろ、ろ・・・6時~!?
「それって、朝の?」
「もちろん、です。」
澄ました顔した連れねずみ。
嘘かと思ったら、
本当に6時に着くように朝、出かけました。

まだ、真っ暗。
足元も見えないような、真っ暗な中に、
赤い門が凛とそびえています。
恐る恐る進んでいくと
「開門6時」という立て札の先に、
受付の灯りが見えました。
一番乗りの清水寺は誰もいません。
静かな夜明け。
鳥の声や、水の音だけが響き、
信仰というものを
身をもって感じられました。

そのうち地元の方が、
湧き水を汲みにわらわらと来られ、
段々山の端が明るくなり、
ぼーっと清水の舞台から
街の灯りが消えていくのを見ていました。
と、そこへハラハラと美しい雪が舞い降り出し、
それはそれは、美しい光景でした。

「ね。清水は朝一番がいいんだよ。」
連れねずみの嬉しそうな顔。
ねずみ一家。
静かに、静かに、
清水の舞台を味わいました。