お絵かき

昨日は子ねずみ妹が
美術館鑑賞日だったので、
上野の東京都立美術館に同行いたしました。
で、美術館鑑賞は昼までで解散とのことで、
帰りに上野動物園によりました。

というのは、
子ねずみ妹が肺炎で休んでいるときに、
動物園で動物を描くという実習があり、
子ねずみ妹はお休みしていて
描けなかったからです。

さてさて、
象の前で一人スケッチブックを広げた子ねずみ妹。
さっさと鉛筆で下書きをしたと思ったら、
黄色とブルーで色を付けだしました。
へぇ・・ずいぶん前衛的。
象さんは灰色じゃないの?

全ての色をそれで塗ったと思ったら、
今度は色をぐしゃぐしゃと混ぜて、
どーんと、スケッチブックの上に載せました。

「だ、だ、だ、大丈夫?」と思わず声をかけると
「え、何が?」と涼しい顔。
「だって、そんなに絵の具を、どどーんと」というと、
「だって、どんな色か解ってるもん。」
と、どんどん塗っていく子ねずみ妹。

子ねずみ妹によると、
黄色はハイライト、青はローライトなんだそうで、
後でその上に色を置いていくんだそうな。
確かに、だんだんと本物の色と形になっていくのを
はじめて見て、
「ああ、この子は学校で、
本当に絵の勉強をしているのだなぁ。」
とつくづく感心いたしました。

絵を描いている子ねずみ妹を、
たくさんの人がのぞいては
話をしていきます。
浜松からきた修学旅行の小学生グループ。
カップルの二人。
おばあちゃん。
絵が好きなおばさま。
小さなこども。

ただ絵を描いているというだけで、
こんなにも人が集まって、
声をかけてくれるのだということにびっくり。
ただのお絵かきだった娘の絵は、
もう、しっかりと何かを発信する
そんなデバイスになっているのかも知れません。

閉館間際、すっかり日も落ちて、
人もいなくなった動物園。
穴に入ってすっかり寝入ったプレーリードッグを見て、
幸せな気持ちで子ねずみ妹と
動物園を後にしたねずみなのでした。