孤児のリカちゃん

それは6月も始めのこと。
子ねずみ妹が
「駅に行く途中の、あそこの角の植木鉢に、
リカちゃんがいるんだよ~」
と言いました。
どうも、誰かが落としたリカちゃんを
植木鉢のおうちの人が、
わかるように置いてくれたようです。
かなり長い間、リカちゃんは雨ざらしになりながら、
そこで立ったまま、お迎えを待っていましたが、
ある日、リカちゃんがいなくなっていました。
「良かったね~。持ち主に戻ったんだね~」
と喜んでいたのですが。

おととい、子ねずみ妹と出かけた時、
ふと公園の植え込みの下を見たら、
リカちゃんが泥だらけになって捨てられていました。
東京は雨ばかりでしたから、
それはそれは泥まみれで、
チャイルドプレイのチャッキーさながらの様相。
余りにも、可愛そうなので、
子ねずみ妹と我が家に連れて帰りました。
きっと、植木鉢のリカちゃんを誰かが持って行って、
公園で遊んだ後、捨て置いていってしまったのでしょう。

よく見たら、肩が壊れて曲がってしまって、
ボディの中にまで泥が一杯。
リップや耳にまで、黒い泥が入り込み、
綺麗にするのは大変でしたが、
全て分解して、洗いました。
髪もお湯パーマとシリコンスプレーで蘇り、
すっかり可愛いリカちゃんに。

持ち主を探したいのですが、
また、植木鉢に置くのも、はばかられ・・。
電信柱に張り紙も最近はNGですし、
もし、探しているなら、よく目立つところにあったので、
とっくに見つけていらっしゃるでしょう。
警察に届ける?
でも、私なら、落とし物を探すのに、
リカちゃんを警察には届けないなぁ・・ということで、
しばらく、我が家にてお預かりすることにいたしました。

きっと拾われたリカちゃんも、
我が家にたくさんのお友達がいて、
びっくりしていることでしょう。
我が家にいる間は、幸せに、可愛がってあげようと
思っています。