戦時中の日記

母方の私の祖父が、
太平洋戦争で戦死しています。
形見の日記があるのですが、
母が亡くなり、孫の私が持っています。

亡くなる年の1月1日から、亡くなる3月12日の
前々日までの日記です。
大学ノートに書かれたその日記には、
母の名前や祖母の名前がたびたび書かれ、
何が書いてあるのか、読んでみたいのですが、
余りにも細かい綴り字で、さっぱり解りませんでした。
娘である母にも読めなかったようで、
生前「内容が知りたいね・・」と言っていました。

ある日、子ねずみ妹の日本史の先生が、
教材に軍事郵便をお使いになりました。
授業後に提出した感想欄に、娘が祖父の日記の話を書いたところ、
先生が「見てみたい」とおっしゃって下さり、
見ていだたくことに。
しばらくお預けして返ってきたものには、
全ての訳文がついていました。
しかも、時代背景の注釈なども細かくついていて、
それはもう、戦記のような素敵なものに。
感謝しかありません。

祖父が南洋で見上げた三日月の光。
想いを込めて祖母や母へつづった愛情。
国のために強くあろうとした姿。
そういったものが生き生きと伝わって来て、
心の奥に静かに響きました。

平和であること。
毎日子ども達に会えること。
それがどんなに素晴らしいことが、
伝えてくれたように思います。

ツイッターでつぶやいたところ、
何名かの方から「見たい」というお申し出があり、
コピーをお送りしました。
案外世の中には、戦時中に書かれたものを
見たい方がたくさんいらっしゃるのだなぁ・・とびっくり。

子ねずみ兄は、以前から
これを卒論にしたいと言っていて、
祖父の日記は、だんだん日の目を見るようになっています。
母が生きていたら、喜んだだろうな。

いろいろな人がいて、
いろいろな事がつながって、
たくさんの幸せをいただく毎日。
疫病のようなことも、きっと人が繋がっているからこそですが、
どうか、1日も早く収まって、
穏やかに過ごせる日々が来ますように、
と願うねずみです。