父からの電話

施設にいる父の携帯電話(ガラケー)。
宮城にいる兄が、母が亡くなった時に父を心配して持たせたものです。
それで毎日、安全確認をするのが兄の日課。

その携帯電話の電源が頻回に落ちており、
そのたびに兄から私に電話があります。
「施設によく言って、ちゃんと電源が入っているか見るように言って。」
施設の方とは、毎日18時に確認していただくようになっています。
それでも、19時や20時の時点で電源が落ちています。

余りに頻回なので、ついに携帯電話を引き上げて、
兄のところに送ることになり、暑い中引き上げて送ったのは8月の初旬。
しかしながら、何も壊れてないとのことで速攻返送されてきました。

それで、ねずみは、何か父がいじっているに違いない!
と思い、携帯電話の番号のところに
全面シールを貼り、番号を押せないようにしました。
そして、一発ボタンのところに兄と私と叔父と書いたシールを貼り、
「ここを押したら電話がつながります!」とナンバーを隠したシールに書き、
細工をした携帯電話を父の施設に持って行きました。

それが1か月前くらいでしょうか。
それから、今まで、一回も電源が落ちることはなくなりました!!

しかし!!
兄のところにも、私のところにも電話が頻回にかかるように!
「こんなところで、死ぬのを待ってるだけなんだ。」
と、グジグジと泣き言を言います。
そのたびに「今はコロナだから、お父さんだけじゃないのよ。
みんな、どこにも行けなくて我慢してるの。
コロナが終わったら、また、会いにいくから、
お兄ちゃんと3人でお寿司でも食べに行こうね。」
と、慰める事しきり。

しかしながら・・認知症マックスの父には、
全く理解できていないのであります。
今の日本がどうなっているのか、コロナとは何か、全く解っていません。
そして、私がそう言って慰めたことも、電話したことも、
何もかも5分後には忘れてしまって、
そしてまた、電話がかかってきて泣き言をいう、の繰り返し。

まぁ、施設の方にご迷惑をかけずに済んでいる事は幸いですし、
兄から「電源が!!」と連絡が来ることもなく、それは良いのですが。

なんだかね。
父の理想はきっと私の家でみんなに囲まれて、
ちやほやされて好きな時に起きて、好きな時に寝て、
好きな物だけ食べて、生きる感じなんでしょう。
それが出来なかったから施設にいるのですが・・。
いろいろと納得しているようでも、
知らず知らずストレスになっているようで、
最近は夜中に自分のうなり声や、歯の食いしばりで目が覚めるねずみでした。