伐採

ねずみのマンションの裏には、
とても素敵な小さな公園があります。
真ん中に大きな木があって、
回りに桜やクスノキが植えられていて、
夏は緑、秋は紅葉、冬は落ち葉、春は桜、と
四季とりどりの美しさに満ちていました。

子ねずみ達と花火をしたり、
花見をしたり、
ベンチでゆっくりお茶をしたり、
それはそれは、ねずみの心の拠り所だったのです。

でも、区の治水工事のために、
その公園から掘り進んでいくことになり、
昨日から樹々の伐採が始まりました。
ずっと唸る電動のこぎりの音に、
心が痛んで仕方がありません。

今は真ん中の大きな木は切られていませんが、
いつか切られてしまうのだろう・・と落ち込んでいます。
三年間は公園としても使えず、
工事が終わっても、きっと樹々が植えられることはないでしょう。
最近の公園は真ん中を空けるのが普通ですから。

でも、最近の豪雨では、
きっといつか災害が起きるということなのでしょう。
水の都と謳うねずみの区では、
仕方のないことなのでしょう。
命には代えられないですもの。

美しい小さな公園。
心の中に、そっとしまって、
また三年後に、新しい公園として生まれ変わることを信じて、
見守りたいと思います。