一周忌

明日で父が亡くなって1年になります。
今日は、子ねずみ達も忙しい中、予定を合わせて貰い、
ねずみ一家で父の好きなものを食べに行きました。

父との55年間は、とてもとても大変でした。
一言で言い表すことは、到底出来ません。

ある時から
父の性格を理解することも、父の生き方を肯定することも、
出来なくなりました。
結局、私は父の何だったんだろうと反芻しても、
答えを聞くことは出来ません。
生きていても望んでいる答えを聞くことは出来ませんでした。
ある時、父に「私はお父さんの何?」と聞いたことがありましたが、
「君は僕の娘じゃないか!」と怒鳴られただけでした。

父にとって、大切なのは、自分だけだった。

父が介護が必要になって10年足らずの間、
私は娘としての義務を果たしました。
衣食住に困ることがないように、様々な手配や手続きをして、
頻繁に飛行機に乗って実家に通い、
東京の我が家に呼び寄せ、適切に老人ホームを探して入居させました。
人として、やってはならないことはせず、
ちゃんと父と話をし、最後を看取りました。
義務だなんて、寂しいとか、親不孝とか、言う人もいると思うけれど、
でも、それで精一杯でした。
そして、最後には「ありがとうね」と声をかけました。
父は「うん」と言いました。

父は、何を思ったのでしょうか。

父が亡くなって1年、折に触れて、何かにつけて、
考えて、追体験し、涙し、悲しみ、傷つき。

でも、一周忌を機に終わりにしようと思います。
解らない事は解らないままに。
悲しみは悲しみのままに。
怒りは怒りのままに。

解決しようにも、余りにも大きく深く、
私の手には負えない感情達だから。

ただただ、私に出来ることは、
負の感情も、正の感情も、
いい思い出も、良くない思い出も、
みんな心の引き出しにそっとしまって、
鍵をかけることだけです。

そうして、明日からは、
今を大切に穏やかに暮らしていこうと思っています。