若くなった父

昨日、父が退院し、老人ホームに戻りました。
一か月ぶりに会う父は・・・
「元気でした」(見た感じ)

肺炎が良くなったとこのとで、
喘鳴もなくなり、呼吸も大変楽そうで、
一見どこも悪くないかのよう。
ただ、咳をしようとしても、か弱い感じで、
咳をする力が弱くなったようでした。

病院から退院する道中
「研修会はどうなったかな。」と繰り返すこと数回。
良く聞いてみると
「研修会の一部に参加したのち、
二部に参加しようと電話をかけたところまでは記憶があるが、
その後は全く記憶がないんだが、どうなっただろうか」
とのこと。
入院していた旨を伝えると、
「そうか~、それでかぁ、
救急車で運ばれたのかぁ、全然覚えてないな~。」
とのことで、
散々に「アンタに迷惑かけたな~。」と言います。

その後もよくよく話をすると、
どうも、父の中では今60歳くらいで、
研修会の確認の電話をしている途中に倒れ、
そのまま1か月入院し、今、退院してきた、というストーリーになっているらしく。
「もう、そろそろ引退だな~」
「僕も、年をとったから無理は出来ないな~」
と口調もグッと若くなり。
ねずみはキツネにつままれたような感じでした。

しかしながら、食事はとろみ食を三口くらい食べても、
もう嘔吐してしまう感じで、
身体がいろいろと準備しているのかな・・という印象を受けました。

宮城から兄も駆けつけていましたが、
「あんた達、今日はどこに泊まるの?」
「ねずみの子供たちは誰が見てるの?」
と完全に遠くから駆け付けた子供と認識され(兄は確かに遠方ですが)
ねずみの子供たちもまだ小学生くらいと思っている様子。
兄が「ねずみの子供たちはもう、成人してるよ。」
「お父さん91歳だからね。」と声をかけても、
全くそれには反応しませんでした。

元気に見えても、お迎えはほどなくと思うのですが、
どうも、兄は信じられない様子で
「・・・本当に看取りなの?」と呟いておりました。

仕事をしていた時代に戻っているのでしょう。
それにしても、あんなに完ぺきに?
人間って本当に不思議な生き物です。